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2018年8月11日 (土)

あの人もキレる。

その事件は今年の全米オープンゴルフ、シネコック・ヒルズGCの13番ホールのグリーンで起きた。

あの超ベテラン、ゴルフ界のレジェンドと言って良いフィル・ミケルソンが、カン!とパットしたボールがカップの縁を通りぬけスーッと下って行ってしまった。

それだけならなんと難しいグリーンなんだ!で済んだのだが、何を思ったかミケルソンは急にボールに向かい、あろうことかまだ転がっているボールをカップに向かって、カツン!と打ち返してしまったのだ。

そのボールが入りそうだったから凄い!などと言う話ではない。

打ち返したボールをカップインさせて、2打罰を付加してそのままゲームを続けたのだ。

ゴルフのルールブックでは、動いているボールを打ってしまった場合は2打罰という事になっている。

なってはいるが、これは草の上や、風で動いたような場合を想定したルールであって、グリーン上でコロコロ転がっているボールを打ち返すなどと言う、こどもの様な振る舞いを想定したものではない。

それなのに大会の競技委員会も2打罰でOKと認めてしまった。

フィル・ミケルソンというゴルファーは成績の素晴らしさはもちろんのこと、その人柄の素晴らしさ、紳士的な事でも知られている。

奥さんの出産に立ち会うためにメジャーの試合を休んだり、奥さんが乳がんになると献身的に付き添い、乳がん撲滅のピンクリボン運動にも積極的に参加する。

そんな優しい、ナイスガイのフィルがしたことだけに、この事件は大きな物議をかもした。

過去に似たような事をした選手もいる。あまりのコース設定の難しさに、頭に来た悪童と呼ばれたジョン・デイリーは、フィルと同じ様にパットしたボールをカツン!と打ち返した。

違っていたのは、ジョン・デイリーは、こんなセッティングでやっていられるか!という抗議の意味も込めて打ち返し、その場で棄権してしまったことだ。

いわばあり得ない反則を犯した自分自身を自分で罰した形だ。

しかし、フィル・ミケルソンはそうはせずに競技委員会も失格にすることなく、翌日もプレイを続けたのだ。

興味があったので、いろんな雑誌の記事を拾い読んだ。多くの人に意見を聞いていたが、擁護派もいる。ルールうんぬん以前の問題だという厳しい意見もある。

後日、フィルは自分自身の犯した間違いを認め、自分が間違ったことをしてしまったと公式に謝罪した。

そしてフィルの妻も、『人は誰だって間違いを犯す事がある。フィルも完全な人間ではないということ、心から反省しているわ』と、旦那さんをかばった。

おそらくこの事件はゴルフ界に長く残るだろう。

各界の意見の中で一番腑に落ちたのがプロゴルファーの丸山茂樹氏の言葉だ。『フィルがあんなことをするとは信じられない思いだ。フィルも歳を取ったんだなぁ、と思った。歳を取るとキレやすくなる。自分を抑える事が出来なかったのだろう』

何十年もゴルフと言うスポーツを通して様々な人間を見て来た人の言葉だけに説得力がある。

中高年の、それも偉くなった人ほどキレやすい。そういう話はゴルフに限らず、社会ニュースにもよく見られる。

あのフィルがキレるのだ。普段どんなに冷静で、自分は絶対にキレたりはしない、と思っている人でも突然に、何が起こるかは分からない。

心の容器、ストレスの容器、その容量は、分かっているようで分からないものなのだ。

ある時、突然に溢れてしまう・・・。

防御策は常に貯め込まないようにすることだ。その都度、その都度、濁った水は掻き出すしかない。

ま、それが易しくない(出来れば苦労しない)からストレスなのかもしれないが、心掛けるだけでも少しは違うだろう・・・中高年のご同輩、特に要注意であります!

さて、二週間ぶりに家人が会津に帰って来た。

これでとりあえず「何を食べようか?」と「ゴミの日はいつだっけ?」を考えるストレスからは解放された。

誠に有り難いものである。

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