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2017年6月 5日 (月)

桜切る馬鹿、切らぬ馬鹿

「お城の石垣の桜の木を切りたいと思うんですが、どう思いますか?」と、唐突にJCの今年の理事長をしているNくんが聞いてきた。

このところ彼と色々な会合で顔を合わせる事が多い。

もともとは坂下町の出身なのだが、市内に居を構えて会津若松JCに所属しているらしい。

仕事も熱心で、すっかり有名になった、べこの乳の牛乳やヨーグルトを作っている。

我が家ではこのところ、そのべこの乳の大きなパックに入ったヨーグルトを愛食しているが、どうにもパッケージから取り出しにくく、会うたびに「もう少し何とかできないの?」と文句を付けている。

そんな彼が言い出したので驚いたが、「ソメイヨシノはもう完全に寿命だからね、良いと思うよ。早く英断して計画的に伐採し、次世代を担う緑の設計図を早急に書くべき、それをJCがやってくれるなら応援するよ」と答えた。

「ホントですか、なかなか分かってくれる人いないんですよ」「でも文化庁がうるさいだろう」「ところが文化庁も切るのは良いと言ってるんですよ」

なるほど、文化庁もソメイヨシノが限界で倒木事故などが起こらぬかと気を揉んでいるのだ。

限界の木は早く切って安全を確保して欲しい、で、その後どうするかはお役所の許可をしっかり取らねばならぬ・・・という訳だ。

「危険除去、ただし、その後はフリーハンドで自由にできるほど甘くはないってことだね」「そうなんでしょうけど、我々が考えていかないとお城の未来はないと思うんです」

その通りだ。

50年後、100年後を考えた鶴ヶ城址の緑の設計図は絶対に必要だというのは、タウン誌時代からの私の持論だ。

話を聞いていた会津若松観光ビューローの職員もいたく興味をそそられて寄って来た。もし、彼ら若い世代が本当に動き出してくれるなら、心から応援しよう。

今年の花見にも大勢の観光客が訪れたが、堀端や石垣の上には本当に古い、人間ならば要介護か寝たきり状態ともいえる桜の木が数多くある。

放置していい問題ではないのだが、誰もが目をつぶり先送りしている。

しかし、その間も時は流れ(当たり前だが)いつか、どうにもならない事態になる事は必至なのだ。

Nくんは言う「今の天守閣だって鉄筋コンクリートですから、持ってせいぜいあと50年でしょう。その後、本当の木造の天守閣を再建するなら今から考えないとダメですよね・・・」

そう、杜の将来を考え、天守閣の将来を考えるには今から動き出さなくてはならない。

動き出した人間が全員死んだ後の未来を今、描かなくてはならないのだ。

「良いねぇ、天守閣を取り壊してもすぐに立て直さないでさ。石垣だけの荒城の月の世界をしばらくは再現するなんてのもいいね。苔むした石垣を神聖な杜が包む、今とは全く違う風景が広がる・・・面白いんじゃない?」

酒宴での事、それほど以上突っ込んだ話もできなかったが「頑張れ!」「応援してくださいね!」と言って別れた。

桜切る馬鹿、とは言うが、今はもうすでに切らぬが馬鹿、のレベルに達している。

超高齢化問題は会津鶴ヶ城址の杜にも影を落としているのである。

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