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2017年6月 1日 (木)

よくある事

高齢者による交通事故、それも悲惨な、驚くような事故が頻繁に報じられる。

よく聞くのが高速道路の逆走。逆走車に肝を冷やしたぐらいならまだいいが、ぶつかってしまえば正面衝突で、死につながる大事故になる。

最も多いのがアクセルとブレーキの踏み間違え事故だ。

建物に突っ込んだり、歩道に突っ込んだり、立体駐車場から転落したり、いずれも悲惨な大事故につながる。

その原因は様々だが、多くは高齢化による身体能力、判断能力の衰え、そこに認知症などの病気が本人の自覚なしに忍び寄り、思わぬ事態を引き起こす。

衰えの程度は様々だ。

私だってバックに入れたつもりで後方を見て下がろうと思ったら前に出た!なんてことは(よくあっては困るが)ある。

ちょっと動いただけでオットット、と反応できるからまだいいが、どのくらい年齢を重ねればオットットで済まなくなるのか、心配だ。

大きな事故は全国ニュースで報じられ、大変だなぁ・・・と、思わされるわけだが、実際、大事にまでは至らないトンデモ事故の数、統計をとったら青ざめてしまうかもしれない。

遠いどこかの出来事ではなく、身の回りでもよくある事なのだ。

ここ数カ月に起こった事故。

一件は七十代の女性。駐車場に入って来て、駐車のためバックさせようとして逆に急発進、建物の壁に激突した。

大理石の外材が割れるほどの勢いで、突っ込んだ女性は慌てふためき、さらにブレキーのつもりでアクセルを踏み込み続けた。

もの凄いエンジンの唸り音と共にタイヤが空回りし焦げてもうもうと白煙が上がり周りは騒然となった。係員が駆け寄り、足を放してようやくクルマはおとなしくなった。

ドライバーは茫然自失。

幸い物損事故で済んだが、もし壁の前に人が居たら大変な事になったに違いない。

また一昨日は、八十代の男性、停まっていた駐車場のスペースから前向きに発進したものの、なぜかそのまま向い側のクルマの角にぶつかり、さらにアクセルを踏み続けその先のクルマに突っ込んで停まった。

ドライバーは何が起こったか分からないと言った風、さほど慌てたようでもなかった。これも人が居たら大事故だろう。

どちらのドラーバーも運転に差し支える様な病気を持っているとは診断されてはいない。

いずれの事故も、どうしてこんな事になってしまうのか理解しかねる状態なのだ。

いずれにしても運転者のミスである事は間違いない。警察の事故処理の後、運転者は何らかの検査を命じられるだろう。

会津のような地方都市でクルマ無しで生活する事はとても大変なことだ。

高齢者になってもなかなかクルマは手放せない。我がままというだけではなく、クルマ無しでは生活そのものが成り立たなくなるケースも少なくない。

こんな小さな田舎町のとある駐車場でも、一歩間違えば大惨事となるような事故が立て続けに起こっているのだ。

全国レベルで一体全体、どれほどの件数があるのかと思うと背筋が冷たくなる。

高齢者の運転免許証返納の促進、誤発進できないようなテクノロジーの開発、高齢者による事故を防ぐ手立ても様々講じられている。

しかし、実際はとてもそんな流暢な事を言ってられないほど事はすでに相当深刻なところまで進んでいるのかもしれない。

好好爺、好好婆として誰もが人生を全うしたいと願っている。

それが本人の意思とは全く反し、一瞬にして人様の人生、それも若く可能性を秘めた人生さえも奪い去る悪魔に変身してしまったなら・・・これは、本当に怖い話なのです。

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