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2017年5月30日 (火)

帰ってゆく人

元米山留学生のスリランカ人Cくんからの着信履歴があった。

昨年暮れにスリランカから新妻を迎え、会津若松ロータリークラブでは新年に歓迎の祝宴を行ったばかり。俄か神主による、俄か三々九度で和やかに祝った。

そのCくんからの着信、なんだろ?赤ちゃんでも出来たか・・・?と思いつつ、電話をしてみた。

すると、大変急な話だが・・・との切り出しで、スリランカの大学に就職がほぼ決まりそうだ、大分悩んだがこの際、帰国して面接を受ける事にする、という。

いずれにせよ、スリランカに職を求め、日本を離れる事を決心したというのだ。

なんとまぁ急な話で驚いた。

「で、いつ行くんだ?」と聞くと「そうね、木曜の夜行バスで成田に行ってスリランカに帰るね」という。これまた本当に急だ。

このまま「じゃぁ、元気でな」という訳にも行くまい。聞けば、火曜には一日がかりでアパートの荷物を全て送り、その夜だけは空いているという。

急きょ、送別の小宴を設ける事にした。

クラブの会長、幹事、あとはスリランカに行った事のあるメンバーに声掛けをして、出られる人は出てくださいとの通知、その日集まった人で行う事に。

新妻のRもいるので家人も一緒に来てもらう事にした。

鴬宿亭18時半、10名が集まった。

18時過ぎにアパートへ向かいに行くと二人は外で待っていた。奥さんのRもいたって元気そうだ。ケラケラと良く笑う。

雪でビックリした事、温泉に行った事、桜が美しくてびっくりした事などを話しながら会場へ。

会津に来て一番好きな食べ物がざるそばだという、なので鴬宿亭にした。この店の主人がその日に打つそばはなかなかのものだ。

まずはここまでの経過報告を簡単に私から、次いでCくんと妻のRにもしっかりとあいさつをさせて、みんなで乾杯した。

Rのあいさつはもちろん英語だが、所々に覚えた日本語が入り和んだ。

会津の美しさに感動した事、ぜひ皆さんスリランカに来てください、と感謝の言葉をチャーミングな笑顔でしっかりと述べた。

しばし、祝宴。

ビールの後は「国権」の大吟醸生の一升瓶を開けた。語り、笑い、食べて、一升瓶が空いた頃にせっかくなので全員から別れの言葉をいただく事にした。

一人ひとり、心のこもった良いスピーチだった。ほんのちょっと涙が滲んだ。

米山の御大、Sさんからは温かい言葉と共に会津漆器の堆朱のアクセサリーが贈られた。

私は・・・いろいろ考えたのだが急だし、荷物になってもなんだと思い、お気に入りの多川清さんの青白磁のぐい飲みを贈る事にした。

私も愛用していたものだし、銘も私の苗字と同じ「た」のひと文字、記念になればと思い手渡した。

そして「サヨナラだけが人生だ・・・Life is always GoodーBye だ、お互い元気でやろう!」と伝えた。

代行で帰り、途中二人を送った。

もうマットレスしかない、というアパートの前で別れた。これからの人生のように二人は抱き合って眠るのだろう。

Cくんと固い握手をし、Rは家人と私をハグしてくれた。

「二人で仲良く、良い道を歩くんだよ!」 

・・・二人は母国・スリランカへ帰って行く。

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