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2017年1月12日 (木)

福島の花

「これは積もるな」という雪の降り方を見たのは、久しぶりの様な気がする。

昨年の冬は、雪国会津とは思えないほど雪が少なかった。いや、全く降らなかったと言った方が当たっている。

今年も雪の無い正月を越したが、十日市過ぎに日本列島をすっぽりと覆うような寒気が降りて来た。

長く居座る強力な冬将軍らしく、週末のセンター試験の天候が今から思いやられている。

なんでも大陸から吹き下りる寒気は朝鮮半島の白頭山の山並みで二つに分かれ、それが水蒸気をたっぷり含んだ日本海上で再び合わさり、厚い雪雲として列島に吹き付ける。その先が大雪になるらしい。

また雪の粒が大きくなってきた。

まだ風はないので吹雪になってはいないが、わさわさと積る。雪空がそのまま落ちてくるみたいだ。

雪に包まれて花の無い季節。そんな季節に花の写真展をやる事にした。

野口勝宏写真展「福島の花」。12月17日~2月19日まで竹田綜合病院と山鹿クリニックを結ぶ連絡通路を使って開催中だ。

野口氏とは旧知だ。

もう30数年前になる。初めて会った時はまだアシスタントをしていたが、すぐに独立し商業写真で活躍するようになる。一方で尾瀬などの風景写真も手掛けていた。

彼に撮影を依頼して作り上げたのが「会津に会いたい」という、このブログと同じ名のムック版の会津のアウトドアガイドブックだった。

撮影のために一緒に奥会津の山に登ったり、岩魚を求めて沢に分け入って岩上で一夜を明かしたりもした。本当に若かったから出来た仕事だ。

その後は、たまに噂を聞く程度、仕事が変わってからは全くの疎遠となっていた。

その野口くんが新聞などで盛んに取り上げられるようになったのはあの東日本大震災以降の事だ。

震災でスタジオに大きな被害を受けたが、彼は避難所を回り写真を撮り続けた。

そんな中で、どんな時にもひたむきに咲く花が人の心を癒してくれる「力」を改めて知り、花の写真に打ち込むようになったという。

『花の力で人々を元気に!』をテーマに精力的に花々を撮り続けた。

その活動が認められニコンの国際フォトコンテストで日本人初のグランプリを獲得。また機体を花々で飾った「東北フラワージェット」(ANA)が就航し被災地の人々を喜ばせた。

フラワージェットは今も連日、日本の空を駆け巡っている。

また福島民友新聞社のみんゆう県民大賞にも選ばれ、マスコミへの露出も多くなっていた。

そんな彼の記事を見るたびに「懐かしいなぁ」と思っていたところ、タイミング良く私の随想をまとめた小冊子が出来上がったので「お久しぶり!」も兼ねて贈呈させてもらった。

すると、ほどなくして本人がわざわざ会いに来てくれたのである。

人の縁は大切にしなくてはならないとはこの事だ。

しばし昔話に花を咲かせて、見事な一枚の写真を土産に置いて、野口くんは帰って行った。

それからしばらくして、冬の会津で花の写真展をやってみたらどんなものだろうか?と私が思いっ立ったというわけである。

写真は大小合わせて約40点、およそ100メートルの通路の壁を飾り、なかなかの迫力だ。

色鮮やかな花から、名前も知らないような野辺の花、生命力溢れる野菜の花、福島の花々が見る人を驚かせ、また大いに楽しませてくれている。

アンケート用紙に綴られた感激の声、その数の多さに、私も改めて花の「力」を思い知った気がする。

空が剥がれるようにどんどん雪が落ちて来る。もう春までは消えないだけの雪が会津を包む。

そんな中、「福島の花」が今、咲き誇っています。

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