« Tくんと呑む | トップページ | パスク・トクガワーナ »

2016年10月 6日 (木)

人には分からない

分かるようでで分からないのが他人の痛みだ。他人でなく肉親でもなかなか分からない。

身体の痛さだけではなく、心の痛みというものもあるが、ここでは「痛いー!」方の痛み。

真っ赤に腫れていたり、血が出ていたり、見た目にも痛そうならなんとなく痛さが分かり、同情もできるのだが、外見では全く分からないのに、「痛い!痛い!」というと、精神的なもんじゃないの?などと心ない言葉が思わず口を突いて出てしまう事がある。

もう30年以上前、骨肉腫の痛みに耐えかねていた母に対して「痛い痛いと思うから痛いんだ」などひどい事を言ってしまった事は、今でも反省し後悔している。

私の娘が、ここ数年、そんな苦しみを味わってきた。

手の親指の底深くに何かがあり、寒くなると痛むらしい。変な角度でぶつけると飛び上がるほど痛くて、冬場は洋服のボタンをはめるのも難行苦行なのだそうだ。

だが、その指を見ると全く何もなくて、腫れたり色が変わったりもしていない。

まちの医院や、いくつかの病院へも行き精密検査を受けてもその原因が全く分からない。

夏場は痛くないし、押しても痛くなかったりもするので本当の痛み、辛さは本人にしか分からない。

飛び上るほどの痛みと、気のせいじゃないの?の溝は底深く、病院に行き、分からないと首をかしげられるたびに娘は心も傷付き痛んだようだ。

その謎の、奥深い痛みの正体がようやく分かった。

何人かの手の専門医、皮膚科医などを経てようやく、N大にいるこの珍しい腫瘍の専門家が診断を付けてくれて、このほど除去手術を行うことになった。

ここまで3,4年が経った。

腫瘍と言っても悪性なものではないらしいが、取り除くのは極めて難しいらしい。

1個は確実にあるがその脇に小さいのがもう一つあるかもしれない・・・でも、それは取れるかどうか分からないという。

手術して開けるのにそんな話あるかい!と突っ込みたくなるが、肉眼でも腫瘍とは分かりにくい、極めて厄介なやつなんだそうだ。

そう言われれば、よろしくお願いしますとすがるしかない。

どうしてそんな腫瘍が私の娘に?と思うが、私の母はいろんなところにがんができて、骨肉腫にまでなった。その母に似て娘は色白で体系も何となく似てる。

やっぱり、できものができやすい体質なのかもしれない。

ま、それが悪性でないだけでも喜ばなくてはならないのかもしれません・・・。

日帰りの手術だが右手の親指だ。

数日はおさんどんも、孫の世話にも困るだろうと、家人が助っ人のため会津を発った。

で、4,5日は一人になる。

すべてが無事に何事もなく過ぎる事をひたすら祈り、静かな朝の仏壇に手を合わせた。

« Tくんと呑む | トップページ | パスク・トクガワーナ »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1327739/67821880

この記事へのトラックバック一覧です: 人には分からない:

« Tくんと呑む | トップページ | パスク・トクガワーナ »