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2016年10月16日 (日)

十五夜の再会

T先生は、ビックリするほどの回復ぶりだった。

この5月に芦の牧に見舞ったときは、ベットから起き上がれずに顔つきもすっかり変わられて寝ていた。話す言葉にも元気がなく、少々頓珍漢だった。

その後、退院されて自宅へ。デイサービスセンターへ通い始めて少しずつ回復されたという。

先日、その教え子たちが集まった。遠方からはるばる会津に来た人もいた。正式ではないミニ同級会。

その日の前に介護をしている息子さんに電話を入れてみた。「なんか、本当に良くなってきてあの頃が10点だとすると、息子の贔屓目かもしれませんが7、80点は行っていると思います」という。

そこで、先生を見舞う予定はなかったのだが急きょ行ける者だけで、会の前に行ってみる事になった。ちょうどその日はデイサービスで家におられるという。

当日、誰が行けるかはっきりしなかったので私が訪ねる事だけはあらかじめお伝えしていた。

そこに教え子が4人も一度に見舞いに来たので「あららー!!!」とたいそう驚かれたが、なんと一人ひとりフルネームで出席を取ったのにはこっちも驚いた。

ベッドの上に起き上がり、昔とあまり変わらぬ張った良く通る声で話される。

腰椎の圧迫骨折から動けなくなり認知が進んだ・・・そういう人でもあきらめずに立ち上がる努力をすればここまで回復するものなのだ。

もう80歳も半ば、人間の秘めた力は千差万別だ。一人ひとりに生き方、死に方がある、という事を改めて教えられた。

秋晴れの午後、30分ほどを恩師の部屋で過ごし、何度も握手をして別れた。きっと間違いなくまた会える。

市内へ戻り一休みの後、夕刻から11名が集まっての食事会となった。男女ともども、当たり前だが同い年だ。老けたとは言うまい!

卒業以来半世紀、それぞれに思いの深い人生がある。

盛り上がるような、そうでもないような、不思議な雰囲気の中であっという間に2時間が過ぎた。そのお開きの時間から結局、気がつけばまた2時間、あっという間に時は流れた。

これは飲酒のせいか?はたまた思い出を辿るが故の時間軸のズレか?

私は、ゆっくりと飲んだ。

一人だけ、嬉しさが過ぎたのか相当早いペースで飲んで帰り際に立てなくなったが、それも大事に至らず無事にタクシーに乗り込んだ。(良かった)

その会のはじまりには、一月に旅立ったSくんに黙とうをささげた。

「次はオメの番だ!」「イヤ、おめは憎まれっ子だからなかなか死なね!」など冗談も飛び交ったが、会うたびに黙とうの回数が増えるのだけは勘弁願いたいものだ。

「みんな元気でな!」と、十五夜の満月が煌々と映える中、二年後、恩師の米寿の年に再会する事を約して、手を握り合って方々に別れた。

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